私たちが飲んでいるコーヒーの半分以上は主にアジアやアフリカ、
中南米などの小さな家族経営の零細な農園で作られています。 このような農園のコーヒーに対して公正な価格での取引を保障した コーヒーのことです。 小規模な農園が集まって組合を作り、中間業者を通さずに輸入業 者と直接取引をして、生産者の生活の安定・向上と生産が持続可能 になることを目指します。フェアトレードを支援する団体は、必要が あれば、栽培や精製の技術を提供するなどして、一層の自立を支援 します。 フェアトレードの国際組織(FLO)による公的な認証制度もあります が、認証によらない良質のコーヒーも多くあります。 一例としてはウィンドファームのブラジル ジャカランダ、エクアドル インタグ、メキシコ トセパン、ピースウィンズ・ジャパンの東ティモール、 フェアトレードプロジェクトのメキシコ マヤビニック、ネパリ・バザーロ のネパールコーヒー(ヒマラヤンワールド)など、主にNGO組織が支援しています。 ************************************ ここで、コーヒー焙煎を仕事としている私が、残念に思うのは、 これら、フェアトレードの理念に基づき、日本で販売されている フェアトレードコーヒーの焙煎豆でおいしいものが、殆どないこと です。素材の生豆そのものがわるいのかといえば、そうではない ものも多いです。 大量焙煎で、本来のその豆に適切な煎り具合でない場合が 多く、豆のよさが十分に引き出されていないと思うのです。 その解決方法は、日本中の中小のロースターにもっともっと この生豆を買ってもらうようにして、それぞれの焙煎店の個性を 出しながら、豆のよさを最大限に引き出して販売してもらうのが 一番だと思うのです。そういうお客様はコーヒーに向ける期待度 が高い、味にもうるさいのです。しかしそういうお客さんを味方に つけたら未来はある。草の根のファンがもっとついて、産地ももっと 品質向上に努力する機会になると思うのだけれど。。。。 しかしフェアトレードの向かう傾向としては、大口の企業などに 買ってもらうところも多いから、生豆そのものの香味をUPさせる ことへはなかなか向かわないと思うのです。 フェアトレードコーヒーという理念がそのまま続いたほうがいいのか、 よくわからなくなってきました;; 私たち日本人にとっては、もう少し違う方向性で、産地に目を向けて もらうほうがよいのではないか、などど思うこのごろです。 3月3日からのメキシコ産地訪問では、フェアトレードコーヒーに ついてじっくり考えてきたいと思います。 #
by coffeeranger
| 2008-02-22 00:16
| フェアトレードコーヒー
講座をやっていると(特に開業志望者向け)タイトルのようなことを
よく聞かれます。 「最近のコーヒー生豆は、おいしくなった」と言われます。(昔はよかった とわれても、第二次大戦前後のコーヒーの味のことは、知る由もないので、 今のコーヒーの味で考えています)また、スペシャルティコーヒーという コーヒーの概念とのカッピングによる産地ごとコーヒーの客観的な評価も 加わり、近年のコーヒー事情は10年以上一昔前とは一変し、ブレンドせざる おえないもの、よりもストレートで且つ「シングルエステート」(単一農園)の 評価が予め出来るようになりました。 例えば、「○○○農園、○○○農協のケニア」、みたいにです。これはこれで 一つの世界があります。 その結果、ストレート至上主義のようなお店も色々出てきて、ブレンドは 一時影を潜めそうな瞬間がありました。 しかし、あまりよくないコーヒー素材を、ブレンドでよくするという意味合いの 強かった時期は過ぎ、コーヒーの味の個性をより際立たせるのにブレンドを 積極的にやっていくという方向性となり、ブレンドならではの醍醐味も、重要視 されることになってきたと喜んでいます。 ブレンドは、焙煎のプロだけのものではなく、コーヒー好きの人たちも、 手元にあるコーヒーが3種類位あれば、ブレンドの世界に足を踏み入れて ほしいと思います。 コーヒーの世界は奥深い、でも楽しいと感じてもらえると思っています。 #
by coffeeranger
| 2007-11-21 08:17
| 旬のコーヒー豆
9月に来日したメキシコの生産者から頂いた豆をようやく焙煎。
(BMと書いた方がバツィル・マヤ) 私が顧問を務めるFTPで支援しているマヤビニック(以下、MV)は 422のファミリーが加入するコーヒー中心の生産者組合、一方 バツィル・マヤ(以下、BM)は112のファミリーで構成される小規模 組合。 中身はBMの方がMVよりも先輩格。組合員の教育、研修に力を 入れており、組織力も俄然上という。BMの母体は、CEDIACという 先住民人権センター(NGO)です。 焙煎したコーヒーの味だけで評価すると、MVの味は、ポテンシャル があります。際立った個性はないものの、コロンビアマイルド、みたい な柔らかい味と軽やかな酸味。BMもそれなりにおいしいですが、 個人的にはMVに軍配です。 #
by coffeeranger
| 2007-11-02 09:40
| コーヒー物語
12月2日(日)に世田谷・下馬でエチオピアコーヒーセレモニーの会をやる予定です。(詳細は決まり次第UPします)そんなこともあって、GLAUBELLでは今エチオピアのコーヒーを暫く扱います。
エチオピアには4つのコーヒー主要エリアがあります。 1、シダモ 2、ハラー 3、レケンプティ 4、ジンマ 特にシダモ(とりわけ、イルガチェフェ地区)、ハラーが優良のエチオピアモカを 産出するエリアとして名高いです。 GLAUBELLは今までにエチオピアモカ イルガチェフェをずっと焼いてきました。 エチオピアの中では、フルーティな香味が大好きです。コクもあり、浅めではなく 深めの煎りがこのモカらしい味わいを伝えられると思います。 今回GLAUBELLでは、エチオピアモカ イルガチェフェを販売します。 煎りはフルシティロースト(中深煎り)で、100gからお受けします。 ご希望の方はGLAUBELLメールフォームへ。 エチオピアモカ イルガチェフェフルシティロースト 600円/100g(+メール便送料80円) 1200円/200g(+メール便送料100円) 1600円/300g(+メール便送料160円) 2000円/400g(+メール便送料160円) #
by coffeeranger
| 2007-10-31 09:24
| 産地
ドーナツドリッパと上手に付き合うためのポイント
ドーナツドリッパーを使用されているお客様から よく聞かれることです。 Q 今までコーノ式を使っていて、同じようにやったら濃くなりすぎて しまった。どうすれば、今までのような味になるのか。 A 抽出器具が違えば、表現する味の方向も若干異なると思います。 それは予め理解しておいてください。 その上で、ドーナツドリッパーでコーノ式の味に近づけるには、まず 1 . 少し粗めに挽いたコーヒー粉を使う 2 . 蒸らし時間を心持少なめにする 3 . 最初の一滴が落ちてきたら、抽出時間を早めにする で、やってみてください。 Q 穴が大きいので、思い切って湯を注げないのですが どうすればよいでしょうか。 A そもそもコーヒー抽出は抵抗があまりなく自然な加速で 湯が落ちるのがよいです。(ドリッパーの壁の角度とか、穴以外の ドリッパー本体は、湯の通り道の抵抗となります。抵抗が出来る だけ少なく湯がコーヒー粉に浸透し、落ちていくことで、おいしい クリアなコーヒーが出来上がります。ですので、穴のことは気に せず、いつも通り、湯を注いで下さい。 #
by coffeeranger
| 2007-10-12 07:34
| 抽出
|
as a coffee life record
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